ドイツで起業するまで その③ ~起業アドバイザー(Gründungsberater)と会う~

起業アドバイザー (Gründungsberater)を選ぶ


労働局の担当者が知っている起業アドバイザー (Gründungsberater) を二人紹介してもらったので、
まずは二人ともアポイントして会ってみました。

費用は労働局が支払ってくれます(20時間分)。

起業のための様々なアドバイス、
また起業支援金(Grundungszuschuss)をもらうために
必要なビジネスプランを作成するアドバイスももらうので、
誰を選ぶかはなかなか重要です。

私に必要なのはオンライン販売の知識があるアドバイザーなので、
会った時にオンライン販売について重点的に質問していきました。

一人は30代後半ぐらい、
もう一人は50代前半くらいの方で、
前者のほうがオンライン販売に関して知識があったので、
ほぼ即決でした。

 

アドバイス内容


一回つき2時間で、話すのは大まかにいうと、

・起業のために必要な手続きと業種に関するアドバイス
・労働局から支援金をもらうためのビジネスプラン作成についてのアドバイス

の二本立てでした。

労働局に提出する書類作成に費やした時間が70%ぐらい。
毎回あっという間に終わってしまうので、
いつも質問をいくつも用意して挑みました。

日本にも興味を持っている人だったので、
こういうものを売ってみたらどうかといろいろ提案もしてくれました。

起業時にまだ2時間残っていたので、
起業3か月後と1年後に予約をすればその後についてのアドバイスしてくれるとのことで、
言われた通りにアポを取りました。

両方の時期でプラン通り、
あるいはそれ以上に順調に行っていたので、
今後の注意点や、ビジネスをさらに広げていくためにどうすればいいかなどのアドバイスを受けました。

 

ビジネスプランとして提出する書類


ビジネスプランは簡単に言うと

Excelを使っての数字でのプラン
Wordを使っての文章でのプラン

の二種類を提出します。

Excelでのビジネスプラン(Gründungstool)


1.予測損益計算書(Rentabilitätsvorschau)

毎月の収支予測を2年分記入。発送費や文房具代にいたるまで細かく記入。

2.流動性計画(Liquiditätsplanung)

債務の支払能力計画(2年分)1を入力することによって自動計算される。

3.投資計画 (Investitionsplan)

投資、現物出資、低価値資産

4.資金計画(Finanzierungsplan)

資金需要計画、資金計画

5.プライベートでの財政収支(Privater Finanzbedarf)

・収入→パートナーの収入、子供手当てなど
・支出→家賃、各種保険、借入金返済、生活費など


Wordでのビジネスプラン

-概要(ビジネスアイディア)
-販売商品について
-販売マーケットとターゲット
-ライバルとの差別化
-販売層、マーケティング、販売先、仕入先
-資格、業界経験、営業知識について
-チャンスとリスク予測
-今後のビジョン

について10ページに渡り説明。

 

ビジネスプラン完成まで


Excelプランはかなり細かい数字まで記入する必要があり、
Wordプランも説得力のある詳しい説明とビジョンが必要です。

先ほども書いたようにこのビジネスプラン作成に起業アドバイザーとの面談時間の多くを使いました。
ビジネスプラン作成によって労働局から支援金を支給してもらうだけでなく、
おのずと自分のやりたいこと、
目標もクリアーになっていきます。

まず起業アドバイザーがたたき台になる見本を渡してくれ、
それを参考に数字を入力し、
文章を作って行きました。

もちろんドイツ語で書くので、
私にはかなりの修行でした。
自分でも日頃の何十倍も脳を使っているのがわかり(笑)、
日頃は食べないけれど、
ドイツ語を読んだり書いたりすると無性に食べたくなるチョコとナッツの2セットをむさぼりながら書いていました。
その後夫にネイティブチェックを頼むと真っ赤になって戻ってくる文章・・・
くやしくて悲しかったです。

結局1か月はかかったでしょうか。
その後起業アドバイザーにダメ出しをしてもらって修正してから晴れて提出と相成りました!

 

ビジネスプランの承認


通常作成後IHK(商工会議所)などに提出し承認(Stellungsnahme)が必要ですが、
私の場合IHKの担当者が非常に厳しくて有名な人で、
なかなか承認が下りそうになかったので、
アドバイザーと相談して、
彼のコンサルタント会社の同僚に承認してもらえることになりました。

その後労働局からの承認も無事に下り、
6か月間起業支援金がもらえることに。

 

起業支援金延長申請


前にも書いたようにさらに9か月間、
フルタイムかつ集中的なビジネス活動が実証されれば、
社会保障のための月額300ユーロを受給することができます。

ただしこの追加の支援金は起業アドバイザーによると必ず一度は断られるので、
再度申請するべきであること、
また今まで担当した3千人のうち3人しかもらったことのない厳しいものだと聞かされていました。

最初は仕事は忙しいし、
提出書類作成にまたかなりの時間を割かれてしまうし、
それでも承認されない可能性がかなり高いということで
申請するのをやめようかと考えました。

ですが、起業から5か月程が経ち、
自分の頭の中を整理し、
今後の目標やビジョンを考える上でも有効だと思い、
申請することに。

内容はネットで検索して見つけた見本をたたき台に、

1.なぜ引き続き支援金が必要なのか
2.この5か月の活動報告と今後の予定
3.収支報告および今後の収支計画
4.販売量と売上報告(領収書一覧リストを添付)
5.今まで及び今後のマーケティング戦略について

とういう内容で、
積極的に活動していることをアピールするために、
オンラインショップのページを印刷したもの、
フライヤー、
ebayでのお客様の評価内容も添付書類として提出しました。

そうしたらなんと!

3千人のうちの4人目になれちゃったんですね。
再申請なしの一発で。

外国人だし、
仕事の規模も小さいので絶対に無理だと思っていたので、
なんでしょう、
この大学受験合格以来といってもいい喜びと達成感。

この頃は売り上げもまだまだで、
不安材料もたくさんあったので、
承認してもらえたことでこの仕事を続けていいんだ、
と思えたし、
自分に対してのすごくいい景気づけになりました。

 

参考サイト

[blogcard url=”https://www.arbeitsagentur.de/existenzgruendung-gruendungszuschuss#”]

 

 

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