ドイツでの通関 ~日本郵便・SAL便とDHL Expressの場合~

ドイツでの通関 ~日本郵便・SAL便とDHL Expressの場合~

 

ドイツの厳しい税関

 

ドイツの税関は厳しいことで有名なようです。
間違っていると細かいことでも税関から確認メールが来たりします。
今ではすっかり慣れましたが、当初はわからないことだらけで苦労しました。
ドイツ人の夫もわからない内容の書類を記入したり・・・。

税関の職員の方が親切で、質問するとすぐに教えてもらえるのがありがたかったです。
税金を徴収するところは公務員であっても親切・・・という定説が私の中で出来上がりつつあります!

 

 

日本郵便のSAL便で送る場合

 

重量は30キロまで、
金額は20万円を超えると通関書類作成のため追加手数料を取られてしまうので、
20万円以下に抑えています。
ドイツ側の通関では1000ユーロを超えるとInternet Zollanmeldungをする必要があります。

 

「Internet Zollanmeldung」のサイト

 

またEUに出入りする商品の輸入または輸出を行う企業のEU内での登録および識別番号として
EORI Nummer( Econoic Operators Registration and Identification Number : EORI番号)
をその前に申請する必要があります。

 

「ドイツ税関:EORI番号取得のための手続き」のサイト

 

まず居住地の税関に荷物が到着するとDHLから郵便で通知が来ます。
必要書類を持参して直接税関に荷物を取りに行くことも可能ですが、
私の場合は税関に郵便で必要書類を送付し、
郵便に同封されている通常のDHLの料金で自宅まで配送してもらうと料金が高いので、
企業顧客金額で購入した配送伝票も同封しています。

必要書類は以下の通り

・DHLからの通知コピー
・商品の領収書(Rechnungen)
・Internet Zollanmeldung(サインを忘れずに)
・Positionsnummer-Liste(税番号ごとに分けた商品の一覧表)
・自宅まで送ってもらうための配送伝票

※書類を郵送の際、自分がVorsteuerabzugsberechtigt(消費税仮払の対象者)である否かを申告する必要もあります。

 

 

DHL Expressで送る場合

 

コロナ禍でSAL便が停止中のため今はDHL Expressを利用しています。
金額が高い分、到着日数も早いですし(5日から1週間ぐらい)、
荷物のダメージも少なく、
配送ステータスが変わるたびにメールでお知らせもしてくれる等サービスも格段にいいです。
また提出書類も少なくて済むので楽ですし、トラブルもありません。

日本から荷物が発送された時点でDHL Expressにメールで下記の書類を送付します。

・Positionsnummer-Liste(税番号ごとに分けた商品の一覧表)
・Auftrag zur Verzollung

 

必要書類についての詳細 / DHL Expressのサイト

 

経費を抑えるために早くSAL便が再開してくれるといいなと思っていますが、
前にも書いたようにDHLの配送には日々苦労しているので、
できればこのままずっとDHL Express利用を続けたいくらいです・・・。

ドイツの郵便・宅配便(DHL)事情

ドイツの郵便・宅配便(DHL)事情

 

日本からドイツへの荷物発送は頻繁に問題発生

 

なるべく安い方法で、
ということで通常日本からドイツへの商品の配送は日本郵便(SAL便)
– DHLを利用しています。

日本郵便のサイトで検索すると
ドイツまでのお届け日数は2週間前後となっていますが、
その都度差異が大きく、
通関も含めると3週間から1か月はかかります。

日本からドイツに到着するまではだいたいいつもスムーズなのですが、
ドイツに到着してからがいばらの道だったりします。

頻繁に問題が発生するためいつも一番心配なのは
日本からの荷物が無事手元に届くかどうかです。
自分の子供が遠足から無事に帰ってくるまで
落ち着かないような感じで、
毎回胃が痛いです。

荷物が日本を出発してから
過干渉なくらいに毎日ネットで荷物の追跡をして、
いつもより時間がかかったり、
不審な点があればすぐにDHLに連絡して確認を取ります。

私の兄は反対に海外からの商品を日本で販売していて、
ヨーロッパからの荷物は私が兄に発送しているのですが、
こちらも今までいろいろとトラブルがあり、
日本で当たり前のことが当たり前でない世界に何度兄の口から
「日本じゃありえない!」
という言葉が出たことでしょう。
なかなかドイツ事情を理解してもらうのが難しく、
改めて日本とドイツのサービス事情の違いをひしひしと感じています。
また日本とドイツ、
両方のさまざまな事情や感覚を理解できているということが
ビジネスにおいても大きなメリットになる、
ということも実感しています。

 

 

どんな問題かというと・・・

 

今まで起きた問題を羅列してみると、

・自宅にいたのに近所の人に荷物を渡してしまう

・自宅にいたのに不在届けが入っていて荷物を郵便局やパケットショップに引き取りにいかなくてはいけない。

・不在届もなく荷物が近所の人、あるいはパケットショップにある

・日本行きの荷物がアメリカに行ってしまう

・荷物が一度紛失。追跡調査依頼後かなり時間がたってからやっと届く

・普通配送が請求書にはプレミアム配送になっていて請求金額が多くなってしまっている

・日本からの荷物が居住地の税関に行くべきところ、
全く違う街に行ってしまい、
あやうく日本に戻されてしまいそうになる

・正しく住所が書いてあるのに宛先不明で荷物が日本に戻りそうになる
(DHLに電話をしてなんとかくいとめました)

・追加料金を払い(補償のため)
郵便書留で荷物をお客様に送ったところ紛失してしまい、
Deutsche Postに弁償を依頼したところ、
Einschreiben Einwurf (受取人の郵便受けに入れるまで追跡可能、20ユーロ+郵便代補償)
で送ったにもかかわらず、
弁償できないとの返事。
再度連絡を取って弁償してもらう
(今まで3回ほどありました)。

・有料荷物引き取り
荷物が大きくて重いため、
有料で自宅から引き取ってもらうサービスを利用してみたのですが、
翌日にピックアップしてもらえるはずが
(しかも通常料金だと一日中家でまっていなくてはいけいない!)、
結局1週間もかかってしまいました。
配送担当者は荷物が大きくて乗せられないので夕方来る(来ない)、
明日来る(来ない)、を繰り返し、
DHLに入れた苦情の電話やメール(3回)
により引き取り料金が3回分請求されてしまい、
それを取り消してもらうのに状況がなかなか理解してもらえず
さらに何度もメールしなければならなかった、
というおまけつきでした。

 

最後にはピックアップしてもらうまでの
1週間に何が起きたのかを
時系列でこれでもかというくらい事細かに
説明して納得してもらいました。
ここまでくるとなにがなんでも絶対に返金してもらうぞっ!
という負けず嫌いな気持ちが
バンバン膨らんでしまうんですよね・・・。
本当は勝ち負けじゃないんだろうと思いますが、
担当者から「返金します。」
というセリフが引き出せて
「よし、勝ったぞ!」
と思ってしまう自分がいます
(もちろんドイツ人は
「申し訳ございません。」
とは残念ながら言わないのでそこはいつも歯がゆいですが)。

 

もちろん配送担当者によるのでしょうが
それからはこのサービスを利用せず、
自分でパケットショップにがんばって荷物を運んでいます。

 

ざっと挙げただけでもこれだけあります。
ネットで検索してみるとDHLに対する苦情は山のように出てきます。

みんな辛抱しているんだなあ、
と思うと怒りも少しは収まってきます。

ある日自転車で走っていると
前を走っているいたって普通のドイツ人の若者が
DHLの配送車を見つけたとたん唾を吐きかけたのでびっくりしたのですが、
きっとDHLとトラブルがあって怒り心頭なんだろうなあ、
とすぐに理解してしまいました。

 

ドイツでは間違いやケアレスミス的なものが頻繁に発生するので、
それをいちいち軌道修正する必要性が多々あります。
そのことに時間を取られてしまうことが
いらいらの発生源であったりもするのですが、
もうあきらめの境地&一筋縄ではいかない
ことに慣れてしまっている自分がいたりもします。