ドイツで外国人ワーキングマザーであるということ

ドイツで外国人ワーキングマザーであるということ

ワーキングマザーの長所

前にも書いたようにある程度子供が大きくなってから再就職しようとするといろいろな壁にぶつかります。

子供がいることで十分に働いてもらえないのではないかと企業は考えがちですが、
逆にワーキングマザーほどコストパフォーマンスが高い存在はないと思うんです。

子供のお迎えがあるため必ず決まった時間に退社しなければいけないので、
だらだらと残業をするのではなく、
与えられた時間内で最大限のパフォーマンスをしようとする方は多いのではないでしょうか。

また仕事に家事、育児と忙しいお母さんたちはマルチタスキングですし、時間管理も上手です。

私は再就職後また働けることをありがたく思い、
子供がいることがなるべくマイナス要因にならないように、
また会社の期待にできる限り答えたい、
と思って働いていました。

再就職した最初の頃はほんとに必死で、
トイレに行くタイミングも逃してしまうほどでした。

6年半のブランクは不安でしたが、
思った以上にスムーズに復帰出来ましたし、
出産し、子育てをしていることが間接的に仕事に役立っていることも多いと思います。

何しろ世の中で一番言うことを聞かない子供を毎日相手にしていますから、
少々のことでは腹も立ちませんし、
考えも柔軟になっています。

 

ドイツで外国人であることの短所

またドイツで外国人(アジア人)であるということをプラスに感じることが残念ながら今までなく、
むしろマイナスになることが多かったように思います。

比較的オープンな我が街でも差別は多少はありますし、
コロナ禍の初めの頃はアジア人差別の話をたくさん聞きました。

実際私も嫌な目に合い、
思った以上に傷ついている自分がいて
(しばらく引きずっていました)、
差別がどれだけ人を傷つけるかを改めて痛感しました。

 

マイナスをプラスにしていこう!

ドイツ語がほぼ話せない状況からドイツ生活が始まり、
現在自営業ができるところまで来て、
いじけた分だけ、涙した分だけ
今こそ外国人であることをしっかりプラスに生かして働いていきたい
(お金をしっかり稼ぎたい!)と強く思っています。

長い年月と経験を経て得た日本とドイツ両方の言葉と文化、
習慣が理解できること、
どちらの立場にも立てるということ、
またドイツでの職務経験が今実を結んでいると感じています。

外国人のママ友(彼女も自分の国から海外への輸出業をしています)
にその話をしたところ激しく同意してくれました。

彼女はアフリカ圏の出身で、
日本人の私よりも遥かに苦労しているので思うところがもっとあるんだと思います。
自分の家族になかなか会えたなかったり、
電車の中で
「あなたはこの国にいていい人なんですか?」
といきなり見ず知らずの人に身分証の提示を求められたり・・・。
しんどいことがあると彼女のようながんばってる友達のことを思い出して自分を励ましています。

ワーキングマザーであることしかり、
外国人であることしかり、
人間は足かせがあったほうが
「やってやる!」
と奮闘するものなんじゃないか、
と思う今日この頃です。

ドイツで起業してから その② ~一日の仕事の流れ~

ドイツで起業してから その② ~一日の仕事の流れ~

自営業のプラス面

自営業の一番いいところは自分のリズムで働けること。

特に今はまだ子供が小さいので家で仕事ができること、そして彼らの予定に合わせて仕事ができるのはとてもいいことだし、子供が病気になった時会社を休む心配をしたりしなくてよくなったので精神的にもかなり楽になりました。

仕事の合間に休憩や息抜きを兼ねて食事の準備をしたり、洗濯したりできるのも大きなメリットですし、通勤のストレスもなく、通勤時間がない分働けるのも忙しいワーキングマザーには大きなことですね。

またずっと会社員をしていたので今までは与えられた業務を遂行するのがメインでしたし、以前私の仕事内容を把握しておらず、理解してもらえない上司に苦しめられたことがあったので、自分の好きなように仕事ができるのはとても幸せです。

反対に指示を仰いだり、相談する人がおらず、自分でなんでも決断しなければならないのはずっと会社員だった私には厳しい時もあります。
先日たまたま見た日本のコマーシャルで会社の先輩が後輩に「これを試してみろ。」とか「心配するな、大丈夫だ。」と言っているのが懐かしく、ちょっと羨ましくなってしまったりしました。

 

自営業のマイナス面

逆によくないところはエンドレスに仕事をしてしまうこと。

商品は週末特によく売れるので土日も働くことになりますが、自分の中でうまく区切りをつけることが大事だと感じています。
初めの頃は子供が寝てから毎晩のように遅くまで仕事をしていましたが、すぐに体調を崩してしまったのでそれからは無理なくうまくバランスを取るようにしています。

集中して仕事ができるのは子供が学校に行っている午前中の4時間程。

それで終わらない場合は午後や夜もちょこちょこと続けます(たいてい続けることになりますが・・・)。
毎年夏休みが終わってまた誰もいない家で静かに仕事ができるようになると、なんてすばらしんだ!と毎年思います(笑)。
逆に子供に邪魔されながら、全然集中できない中でよくやってるなあ自分、とも思います。

特に日本から荷物が届いた時は一秒でも早く商品をアマゾンの倉庫に送りたいのでいつも夜遅くまで作業することになってしまいます。

 

ルーティンワーク

主なルーティンワークは以下の通り

メールチェック
前日売れた商品のチェック
販売金額チェック(ライバルの販売金額チェック)
売れた商品の配送および管理

商品購入
新規商品検索(時間がある時)
会計業務(月初め)
返品や在庫のチェック

ドイツで起業してから その① ~さあ自営業スタート!~

ドイツで起業してから その① ~さあ自営業スタート!~

初月の実績は

予定より半月遅く商品が販売可能な状況になり、最初は試運転として十数種類、50個ほどの商品をアマゾン、ebay、自分のオンラインショップで売り始めました。

内容はおもちゃ、プラモデル、文房具、キッチン用品などで金額もそれほど高くないものでした(ちなみに15-50ユーロが衝動買いの範疇で、価格設定はこの範囲で、と言われています)。

初月の売り上げは400ユーロ強。

このお仕事は初期投資が少なくても始められるのが魅力ですね。
起業した際に購入したのは商品撮影に必要な照明セットぐらいでしたし、少ない資本からのスタートで購入と販売を繰り返し、本当に少しずつ売上額を増やしては商品の購入数も増加させていきました。
仕事の流れをつかみ、慣れていくためにも小規模から始めたのはいいことでした。
商品購入に重点を置いていたのもあって2018年まではまだ赤字でしたが、2019年には黒字経営になりました。

まずは注文を全て管理するソフトウェア、JTLを使いこなすのが一番の課題でした。
これに関してはIT関連の仕事をしている夫にかなり助けられましたが、結局使うのは自分なので慣れていくしかなかったです。

 

お客様の評価が大きな励みに

Amazonはほとんどの商品をAmazonの倉庫に送り、管理・配送・お客様との連絡もAmazonが行うのもあってなかなか評価がもらえませんが、ebayはスタートから3か月で確か20件ぐらいの好評価をもらえたのでそれがすごく励みになりました。
オンライン販売では直接お客様の顔が見えないのが寂しいところなのでことさら嬉しかったです。

 

いつでも・どこでもジャパニーズサービスを

ドイツでも日本的サービスを提供できるよう心掛けていて、当たり前のことなのですが商品を翌日には発送するようにし、質問等にも当日中に答えるようにするなど、迅速・確実・丁寧なサービスに努めています。
どんなお仕事でもこつこつと努力して信頼を得るのが大切だとつくづく感じています。

新幹線が秒単位できっちり定刻に到着する日本と違って(ドイツ人に話すと感動します)、ドイツでは予定通りに行かないことがしょっちゅう起こり、荷物の発送もしかりでよく遅れます。

日本人の私はちょっと頑張ればドイツではかなり評価してもらえるのでほんと得していると思います。