ドイツ語のことわざ⑥ 食べ物編

ドイツ語のことわざ⑥ 食べ物編

 

今回で食べ物編は最後になります。


Kümmere dich nicht um ungelegte Eier.

 

直訳:まだ産まれていない卵を気にかけるな
→捕らぬ狸の皮算用

このことわざはおそらくマーティン・ルーサー
の言葉だと言われています。

似たような表現に

Man soll die Rechnung nicht ohne den Wirt machen.

直訳:主人なしに請求書を切るな

 

Verkaufe das Fell nicht, bevor du den Bären erlegt hast.

直訳:クマを仕留める前に毛皮を売るな

があります。

 

Wein auf Bier, das rat’ ich dir. Bier auf Wein, lass es sein.

 

直訳:ビールの後にワイン、これはお勧め。
ワインのあとにビール、これはやめといたほうが。

→同じようなものでも、うまくいくものとそうでないものがある。

このことわざはおそらく中世に由来します。
当時ビールは下層階級の飲み物で、
 ワインは貴族が飲むものでした。
ワインを飲む人の仲間入りをした人、
つまり貴族は、再び下の階級に降りてはいけない、
という意味が込められているようです。


食べ物を使った表現はやはりかなり沢山ありますね。
日本とは食べるものが違うので、
日本語の表現とはかなり異なっていることがよくわかったと思います。

ドイツ語のことわざ⑤ 食べ物編

ドイツ語のことわざ⑤ 食べ物編

 

今日のドイツ語のことわざは前回に引き続き食べ物を使った表現です。

Alles in Butter

直訳:すべてバターの中。
→すべて大丈夫!

他の多くのことわざのように、
このフレーズの由来も中世から来ています。

当時、とても高価だったグラスはアルプスを経由して
イタリアからドイツに運ばれていました。
残念なことにほとんどのグラスは馬車の揺れで
すぐに割れてしまっていました。

そこである賢い商人がいいアイディアを思いつきました。
彼はグラスを樽に入れ、
次に溶かしたバターをその上に注ぎました。
バターが冷えて固まることによって、
グラスも樽の中で固定されるというわけです。
樽が馬車から落ちてしまっても、
ガラスは無傷のままでした!

バターの中にあるから = すべて大丈夫!
というわけです。


同じような意味をもつことわざに

Alles im grünen Bereich!

直訳:すべてグリーンゾーンの中。
→すべて大丈夫!

があります。

 

um den heißen Brei herumreden. 


直訳:熱いおかゆの周りをぐるぐる回る。
→回りくどくものを言う。はっきりしない。

例)Jetzt red’ nicht um den heißen Brei herum und sage mir, worum es eigentlich geht!
(くどくど言わないで何のことかはっきり言って!)

このことわざは

wie die Katze um den heißen Brei schleichen.

直訳:猫がおかゆのまわりをうろうろするように
という古い口語表現から発展したものです。

猫は猫舌なのでおかゆの周りをあちこちとうろちょろし、
おかゆの一番冷めているところを探します。
このフレーズはすでにマルティン・ルターによって文書化されており、
シラーとゲーテの作品の中でも使われています。

 

Der Apfel fällt nicht weit vom Stamm. 

 直訳:   りんごは幹から遠いところには落ちない。
→蛙の子は蛙

英語でも同じ表現をしますね。
説明するまでもないと思いますが、
りんごの木の枝から地面に落ちるりんごは、
決して木の幹から遠く離れて見つかりません。
子供の性格や好みもしかりで、
それは自分の両親の特徴に似通ることがよくあります。

ドイツ語のことわざ④ 食べ物編

ドイツ語のことわざ④ 食べ物編

前回は動物が出てくることわざでしたが、
本日は食べ物を使った表現です。

Das ist nicht mein Bier. 

直訳:これは私のビールではありません。
→これは私の問題ではない。


Es geht um die Wurst! 

直訳:ソーセージのために!ソーセージが重要!
→大事な決着をつける時や、勝負に出る時に使う表現。

例)Heute spielt Deutschland gegen Frankreich. Es geht um die Wurst!
(今日の試合はドイツ対フランス。大事な試合だ!) 


さすがドイツを代表するビールとソーセージ、
どちらも大きな存在として使われていますね。

二つ目の表現は昔、
地元のお祭りでパン食い競争ならぬソーセージ食い競争や、
ソーセージ釣り競争などが催されたことに由来していて、

ソーセージは田舎では高価な商品だったので、
そのまま比喩表現として現代に至ったそうです。