ドイツでの生活 初期編 泣いてばかりだった一年目

30代からの外国暮らしがスタート

「君ぐらい食べさせてあげられるから来てごらんよ~。」

の夫の一言から始まったドイツ生活。
観光ビザをMAXに使ってのお試し期間3か月から始めて気づけば15年以上経ちました。

30代になってから仕事を辞めて外国で暮らすことを決断するのはなかなか難しかったですが、
当時お付き合いしていた夫との遠距離恋愛がめんどくさくなってきていたのと、
仕事にもいろいろと不満があったので、
実はいいタイミングだったのかもしれません。

外国暮らしの先輩である親友に相談したところ
「恋愛のために外国に行くと、それがなくなったら何も残らない場合もあるよ。大丈夫?」
となかなか厳しいアドバイスもいただきましたが、

スペインに留学経験もあるから大丈夫、
同じ人生だったらいろいろ経験した方が面白いに決まっている!
という結論に至り、ドイツに行くことにしたのです。

が、一年目は想像以上に辛かったですね~。


泣いてばかりの原因は

一番しんどかったのは後から考えてみると、夫とのギャップ。

彼の生活は何一つ変わっていないのに比べ、
私は友達なし、仕事なし、ドイツ語できない、のないないづくし。
この立場の違いにずいぶん長い間苦しめられました。
子育て中の立場の違いにも通じるところがあるかもしれません。

ドイツ人はドイツ語ができるかできないかで外国人をジャッジするところが結構あるので、
ドイツ語ができないことも大きなストレスでした。

買い物に行くだけでも玄関のドアの前で、
「自分、今から買い物に行ってきます!」
みたいな心のつぶやきと気合が必要で、
特にパン屋のおばちゃんが怖かった・・・。

自分で注文しないといけないし、
私がお店に入って行っただけで眉間にしわを作られると
(この子の言うことわかるかしら的な)、
悲しい気持ちになったものです。
他のお客さんに順番を抜かされてしまってもがつんと文句も言えませんでしたし。

パーティーなどに行っても、
日本人は外国人が一人でもいればがんばってみんな英語で話そうとしてくれるところがありますが、
ドイツはそうじゃないんですよね。

ドイツ語できないんだ、残念だねえ、
終わり、って感じで結構ほっとかれます(笑)。

自分だけ笑えない状況、
っていうのが一番つらいかもしれませんね。

まだ来独間もない時にパーティーでおもしろいコメディアンのトークがあるということでみんなで聞いたのですが、
みんなが大笑いする中一人だけ全く笑えず、
ひどい仕打ちだと思ってしまいました。


留学と現地の人との生活の違い

20代の時にスペインに留学し、
とても楽しかったのでドイツ生活も似たようなものだろうと思っていたのですが、
「留学」するのと「現地の人の生活」に入っていくことは全然ちがいました。

留学の場合、周りにいる留学生も自分と同じ立場なので居心地がいいですが、
現地の人との生活は自分だけが異邦人で立ち位置が違うため、
しんどい思いをするわけです。


小さなルールほどわからない

また経験してみなければわからない小さな生活ルールの違いにも苦労しました。
例えば日本では歩行者は道路の右側、
自転車は左側を走ると習いましたが、
ドイツの場合は車と同じで右側を走ります。

人と人がすれ違う時も同じくなのには驚きました!
こういうこと、夫にとっては当たり前すぎて教えてもらえなかったんですよね。

語学学校に行く初日、
左側の自転車専用道路を走っていたらみんなにものすごく怪訝な顔をされておかしいなと気づきました。
こんな感じで失敗しては学ぶ、
の繰り返しでした。


外国生活は5年で慣れる

こうやって書いてみるともう恨み節のオンパレードですね。
滞在一年目は何度涙を流したことか!

30過ぎてここまでしんどい思いしなくてもいいんじゃないだろうか、って考えてました。
なので日本が恋しくて仕方なかったようで、
苦労を共にした日本人のお友達によると最初の3年はしょっちゅうドイツ人に
「ドイツではそうだろうけど、日本ではこうなのよ。」
と言ってたらしいのですが、
言われてみると確かにそうでした。

在住歴が長い先輩に大丈夫、5年もすれば慣れるよ、
と言われましたがほんとにそうでした。
ドイツ語にもドイツの生活にもだいぶ慣れ、
仕事も見つけ、出産し・・・。

なのでまだドイツに来たばかりでしんどい思いをしている方、

大丈夫です!

きっと楽になる日が来るので無理せず肩の力を抜いて頑張ってくださいね。

画像 Ilustración Vectores por Vecteezy

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