ドイツで起業してから その② ~一日の仕事の流れ~

ドイツで起業してから その② ~一日の仕事の流れ~

自営業のプラス面

自営業の一番いいところは自分のリズムで働けること。

特に今はまだ子供が小さいので家で仕事ができること、そして彼らの予定に合わせて仕事ができるのはとてもいいことだし、子供が病気になった時会社を休む心配をしたりしなくてよくなったので精神的にもかなり楽になりました。

仕事の合間に休憩や息抜きを兼ねて食事の準備をしたり、洗濯したりできるのも大きなメリットですし、通勤のストレスもなく、通勤時間がない分働けるのも忙しいワーキングマザーには大きなことですね。

またずっと会社員をしていたので今までは与えられた業務を遂行するのがメインでしたし、以前私の仕事内容を把握しておらず、理解してもらえない上司に苦しめられたことがあったので、自分の好きなように仕事ができるのはとても幸せです。

反対に指示を仰いだり、相談する人がおらず、自分でなんでも決断しなければならないのはずっと会社員だった私には厳しい時もあります。
先日たまたま見た日本のコマーシャルで会社の先輩が後輩に「これを試してみろ。」とか「心配するな、大丈夫だ。」と言っているのが懐かしく、ちょっと羨ましくなってしまったりしました。

 

自営業のマイナス面

逆によくないところはエンドレスに仕事をしてしまうこと。

商品は週末特によく売れるので土日も働くことになりますが、自分の中でうまく区切りをつけることが大事だと感じています。
初めの頃は子供が寝てから毎晩のように遅くまで仕事をしていましたが、すぐに体調を崩してしまったのでそれからは無理なくうまくバランスを取るようにしています。

集中して仕事ができるのは子供が学校に行っている午前中の4時間程。

それで終わらない場合は午後や夜もちょこちょこと続けます(たいてい続けることになりますが・・・)。
毎年夏休みが終わってまた誰もいない家で静かに仕事ができるようになると、なんてすばらしんだ!と毎年思います(笑)。
逆に子供に邪魔されながら、全然集中できない中でよくやってるなあ自分、とも思います。

特に日本から荷物が届いた時は一秒でも早く商品をアマゾンの倉庫に送りたいのでいつも夜遅くまで作業することになってしまいます。

 

ルーティンワーク

主なルーティンワークは以下の通り

メールチェック
前日売れた商品のチェック
販売金額チェック(ライバルの販売金額チェック)
売れた商品の配送および管理

商品購入
新規商品検索(時間がある時)
会計業務(月初め)
返品や在庫のチェック

ドイツで起業してから その① ~さあ自営業スタート!~

ドイツで起業してから その① ~さあ自営業スタート!~

初月の実績は

予定より半月遅く商品が販売可能な状況になり、最初は試運転として十数種類、50個ほどの商品をアマゾン、ebay、自分のオンラインショップで売り始めました。

内容はおもちゃ、プラモデル、文房具、キッチン用品などで金額もそれほど高くないものでした(ちなみに15-50ユーロが衝動買いの範疇で、価格設定はこの範囲で、と言われています)。

初月の売り上げは400ユーロ強。

このお仕事は初期投資が少なくても始められるのが魅力ですね。
起業した際に購入したのは商品撮影に必要な照明セットぐらいでしたし、少ない資本からのスタートで購入と販売を繰り返し、本当に少しずつ売上額を増やしては商品の購入数も増加させていきました。
仕事の流れをつかみ、慣れていくためにも小規模から始めたのはいいことでした。
商品購入に重点を置いていたのもあって2018年まではまだ赤字でしたが、2019年には黒字経営になりました。

まずは注文を全て管理するソフトウェア、JTLを使いこなすのが一番の課題でした。
これに関してはIT関連の仕事をしている夫にかなり助けられましたが、結局使うのは自分なので慣れていくしかなかったです。

 

お客様の評価が大きな励みに

Amazonはほとんどの商品をAmazonの倉庫に送り、管理・配送・お客様との連絡もAmazonが行うのもあってなかなか評価がもらえませんが、ebayはスタートから3か月で確か20件ぐらいの好評価をもらえたのでそれがすごく励みになりました。
オンライン販売では直接お客様の顔が見えないのが寂しいところなのでことさら嬉しかったです。

 

いつでも・どこでもジャパニーズサービスを

ドイツでも日本的サービスを提供できるよう心掛けていて、当たり前のことなのですが商品を翌日には発送するようにし、質問等にも当日中に答えるようにするなど、迅速・確実・丁寧なサービスに努めています。
どんなお仕事でもこつこつと努力して信頼を得るのが大切だとつくづく感じています。

新幹線が秒単位できっちり定刻に到着する日本と違って(ドイツ人に話すと感動します)、ドイツでは予定通りに行かないことがしょっちゅう起こり、荷物の発送もしかりでよく遅れます。

日本人の私はちょっと頑張ればドイツではかなり評価してもらえるのでほんと得していると思います。

ドイツで起業するまで その⑤ ~準備中のトラブル、大変だったことなど~

ドイツで起業するまで その⑤ ~準備中のトラブル、大変だったことなど~

 

私の場合、
起業準備で特に大変だったのは自分でもちょっと意外でしたが、
社名を決めることと、
銀行口座開設の二つでした。

 

 

生みの苦しみ・社名アイディア

 

やはり社名は肝心かなめの一番大切なこと、
と思えば思うほどプレッシャーがかかり、
なかなかいい案が浮かんできません。
ドイツ人にすぐ日本と結び付けてもらえて、
発音も耳になじむもの。
起業アドバイザーも夫も
私の提案になかなか首を縦に振らず、
日本人が思うものとドイツ人とのそれとは
かなり隔たりがあることがよくわかり、
それでさらに混迷・・・。

起業アドバイザーは自分でもいくつか事業を立ち上げており、
その一つの企業には日本語で社名をつけていましたが、
日本人でもめったに耳にしない言葉を使用しており、
私の頭の中は正直「???」状態でした。

さらにドメイン名がまだ取得されていないもの、
という条件が加わります。
実際いくつか社名の候補を挙げて、
既にドメインが取得されているかわかるサイトで検索してみると
日本語の言葉でもアルファベットでもう登録されていたりします。
私が一番使いたかった社名も
残念ながら既に登録されてしまっていました。
所有者にドメイン名を売ってもらえないか
メールしてみましたが
、返信なしであきらめました。
逆に起業後数回、
日本語のドメイン購入に興味がないか、
というメールが来てましたね。

結局上記の条件を満たすものとして
消去法で選ばれたのが今の社名です。
しばらくは半信半疑な感じでしたが、
今ではしっくりきています。
命名の由来も自分のオンラインショップに記載してあり、
ドイツ語でもしっくりと理解できる内容となっています。

 

 

ゴールが見えない銀行口座開設

 

もう一つは銀行口座開設。
私が外国人でなければ、
また銀行が家の近くにあれば全く問題なかったのですが、
悪い条件が重なってしまい
自分がもうどこにも所属していない、
日本の大企業に勤めているなんていう
後ろ盾も持たないただの外国人のおばちゃん
であることを痛感した出来事の一つでした。

逆のこの一件で、
何事も必ずいつか終わりは来る、
そして気にしすぎず、
いじけすぎず、
まずはやれることをやってみる、
ということを学んだのでした。

銀行を開設する際には本人証明が必要だったのですが、
銀行の所在地が自宅からはかなり遠かったので、
次のオプションとして
郵便局でできるということで行ってみたのですが、
なぜか日本のパスポートはスキャンしたときにエラーがでてしまい、
念のため別の郵便局にも行ってみたのですがダメでした・・・。

次に郵便局の専用サイトできるということで、
ビデオチャット形式の本人証明に挑みました。
もうですね、
これがイライラ、
イジイジマックスになる要因だったんです!!!

結論から言うと
このためにまるまる2日以上は
時間を費やすことになりました・・・。

まずチャットができるまで何人待ちかが表示され、
スマホとにらめっこしながら順番を待ちます。
またドイツ語と英語と確かトルコ語が選択できます。
ドイツ語の方が順番待ちが少なかったので、
ドイツ語を選んで待ちました
(結構待たされました)。

現れたのは50代ぐらいのドイツ人のおばさま。
途中までは調子よかったのですが、
日本のパスポートがやはり問題で、
おばさまがパスポートの写真を撮ろうとするのですが、
偽造パスポート防止のための背景にあるきらきらした模様たちが
反射して邪魔して上手く撮影できないようで、
だんだんおばさまはイライラしていきます・・・。

ちょっと斜めにしてみて、
いやいや、やりすぎよ、
などあれこれと注文を受けましたがそれでもダメなようで、
「このパスポートはちゃんと撮影できないから、
銀行の支店に直接行ってちょーだい!」
と半ギレ状態で言われてしまいました。

私もすかさず、「支店は遠すぎで行けないのでなんとかしてくだ・・・。」
まで言ったところでおばさますかさず
「トニカクムリダカラ~、ヨイイチニチヲ、サヨウナラー」
と、ビデオチャットがつんと切断。
その後DHLでもこの仕打ちを受けましたがしばらく後遺症が残りますね。
日本ではまずありえないことですから。

支店に直接行くのは遠いのでとにかく避けたいところ。
もう一度また最初からチャレンジしてみましたが、
次のおばさまにも支店に行くように言われてしまい、
どうしたものかと考えて、
次は英語でのビデオチャットを試してみました。

そこで現れたのが我が救世主、アントニオ!
おそらくラテンの国出身と思われ、
明るい対応にすぐ心が癒されました。

まず「あなた今日だけでも、もう何度もトライしてるけど、どうしたの~?」
と心配してくれ、
親切かつさくさくと手続きを進めてくれ、
パスポートの撮影も問題なくクリア。
あのおばさまたちの怒りはなんだったのでしょうか・・・。
ネイティブじゃない同士のほうが気楽だし、
私の敵、おばさまにあたる確率も低そうなので、
最初から英語にすればよかったです。

が!!!

ここでいきなりネット接続の調子が悪くなり、
先に進まなくなってしまいました。
アントニオにまた最初から
(順番待ちから!)
全部やりなおしと言われてしまい、
どれだけ呪われてるんでしょうか、私。
再チャレンジしたら必ずしもまた
アントニオが担当できるわけではなく、
すかさず今日の英語担当者は何人なのか聞くと、5人とのこと。

5分の1の確率かあ・・・。

ここでタイムアウト。
こどもの学校のイベントに参加しなくてはならず、
心ここにあらずでLaternenfestの歌を歌ってました。

た、たのしくない、全く。

仕事帰りの夫が途中参加してきたので、
お願いして先に家に帰り、
再度英語でチャレンジ。

神様っているんですね~。
そこに現れたのは再びアントニオ!!!
5分の1の確率的中です。
彼もビックリしてました。
「ぼく今丁度休憩から戻ってきたところなんだよ~。今まで何時間も何やってたの?」
から
「もう途中までできてたから早く最後まで終わらせちゃおうね。」
となり、
前回よりさらにスピードアップで
無事最後まで手続きを終了することができました。
学校のイベント、途中で抜けて正解でした。

銀行口座開設はその後もまだトラブルが続き、
予定の2週間がたっても口座開設の連絡がないので電話をしたところ、
パスポートのサインが漢字で書かれていたため承認が下りず、
アルファベットでのサインを送ってほしいとのこと。

こっちが連絡しないとそのままほったらかしです・・・。

口座開設一つでこんなにも労力を使い、
精神を削られてしまって、
この先がとっても不安になりましたが、
今思うといじけている時にはアントニオしかり、
支援金延長承認しかり、
何かいいことがあって救われてきたように思います。

 

 

厳しい現実もあるドイツde自営業

 

調べたところ日本もドイツも
自営業者数にあまり違いはないようです。
日本での経験がないので残念ながら比較できませんが、
ドイツは社会福祉がしっかりしている分、
サポートは手厚いですが、
高い税金、保険も自分で支払った残りが
やっと自分の収入になることを十分に考えなければなりません。
この点については労働局でも何回も忠告されました。

こんな紆余曲折があって、やっと準備完了。

 

次回は自営業がスタートしてからのお話です。

 

ドイツで起業するまで その④ ~起業のための TO DO LIST 22~

ドイツで起業するまで その④ ~起業のための TO DO LIST 22~

 

以下、私が行った起業に必要な主な手続きです。
リスティングしていつも進捗状況をチェックしていました。
ドイツでのこと、もちろん予定通りには進みませんでしたが!

本格的な準備は9月から始めて、起業は11月中旬となりました。

 

 

Einzelunternehmerとして起業するのに必要な手続き

 

1.企業名を決める

 

ドメイン名として既に登録されていないかチェック

 

 

2.会社用銀行口座の開設

 

日本のパスポートで本人確認をするのに時間がかかってしまった。
またパスポートの署名は日本語だったのでアルファベットに変更する必要もあった

 

 

3.税理士

 

私の場合は経費削減のため月締めは以前夫も自営業者で
その時にお願いしていた会計アシスタントをしている女性
(Buchhaltungsfachfrau)を紹介してもらって依頼。

現在は彼女が引退することになったので、
Eコマースに特化していて、データがデジタル化&自動化されている経理会社に依頼。
税理士(Steuerberater)はなんだかんだ言って直接会えた方が良く、
地元の人を探すよう起業アドバイザーに言われたので、
ネットで家から近く、
かつEコマースを専門としている税理士を探しました。

 

 

4.Steuernummer & Ust-IdNr.(納税者番号とVAT ID番号)の取得

 

所轄の税務署に行き申請。
ドイツのお役所であまりいい経験はありませんが、
税金を払うための手続きをする人間には優しかったです(笑)。

記入方法がわからない箇所も親切に教えてくれ、
急ぎで税番号がほしい旨お願いすると協力的でした。

 

 

5.Gewerbeanmeldung(事業登録)

 

この手続きが一番大事だと思うのですが、
一番簡単だったかも。

Gewerbeamtに行けば即日登録終了です。
事業内容はかなり詳しく聞かれ、
担当者がその場で入力していました。

驚いたのは待合室にいたのがほぼ外国人だったということです。

 

 

6.Haftungspflichtversicherung(賠償責任保険)

 

販売業をする際には必ず入っておくべき、
ということで起業アドバイザーに紹介してもらった
保険ブローカーの方に保険会社を紹介してもらいました。

記入する内容が多岐にわたっていて大変でした!

 

 

7.Krankenkassen (健康保険)

 

会社員から自営業者用へ変更。
収入が少ない場合は家族扶養にすることもできる。
私が加入している保険会社は月収450ユーロまでは家族扶養になれます。
失業保険を受給している間は労働局が保険料を支払ってくれますが、
起業支援金を受給している間は300ユーロ多く受給して保険料を自分で払うことになります。

 

 

8.商標登録 (Markenschutz)

 

ドイツのみとヨーロッパ全体がある。
金額は基本それぞれ300ユーロと850ユーロ。
会社名や商品名、それに付随するロゴなどの登録。

 

「Deutsches Patent- und Markenamt」のサイト

 

「EUIPO」のサイト

 

 

9.AGB, Impressum, Wiederrufrechtsの作成

 

オンラインショップ及び各マーケットプレイスで必要。

弁護士に依頼するか、内容をある程度確認できるサイトがある。

私の場合夫がホームページを作る仕事もしているので、
弁護士にはお願いせず、
夫がそのサイトで内容を確認しつつ作成してくれました。
Datenschutzについてもジェネレーターのサイトがありますが保証はできないので、
心配な場合は弁護士に頼んだ方がいいと思います。

 

 

10.弁護士

 

弁護士保険に入る、
毎月一定の料金を払い顧問弁護士をお願いする、
必要になったらお願いする、
など選択肢はいくつかあると思います。

 

 

11.Arbeitslosenversicherung、Rentenversicherung

 

必要であれば。
必ずしも入らなければいけないわけではないので個人の判断で。
起業アドバイザーによると年金は40年以上支払わないと意味がないそうです。

 

 

12.事務所を借りたい場合

 

一部屋だけでいいなら弁護士等の事務所の一室を借りると安いそう。
30平方メートルぐらいで十分な大きさ。

 

 

オンライン販売に必要な手続き

 

13.オンラインショップ作成

 

ITやウェブデザインの仕事をしている夫に依頼。Shopwareを使って作成しています。

 

「Shopware」のサイト

 

 

14.オンライン販売を管理するソフトウェアの購入及び設定

 

いくつか見てみましたが、
使い方や内容が複雑だったりするものもあったので、
シンプルでわかりやすいJTL- Softwareを選びました。

サポートもしっかりしていて
メールで質問すれば通常次の日には返信が来ます
(契約では3日後までに返信となっていますが)。

 

「JTL」のサイト

 

 

15.商品検索、購入

 

兄のインストラクションに従って、
商品の価格変動、
販売数を自動で追跡してくれるツールを導入し、
購入すべき商品を検索。

様々なマーケットプレイス、
ネット問屋、
専門ネットショップなどで購入。

 

 

16.各マーケットプレイスへの登録

 

アマゾン、ebayなど。
ドイツ人セラーのyoutuberが登録の仕方を詳しく説明してくれていてすごく分かりやすかったです。

 

 

17.オンライン販売についての勉強

 

諸先輩方のサイトや、
セラーのyoutube、
書籍などで。
日本語、ドイツ語両方で。

 

 

18.フライヤー(ちらし)の作成

 

初刷はデザイン、レイアウト、印刷とも
ネットの無料デザインサイトを使ってすべて自前で作成しましたが、

第二刷は自営業の先輩にダメ出しをしてもらってデザイン、
レイアウトとも新しくし、
印刷は専門業者に依頼しました。

それだけでもだいぶクオリティアップしました。

 

flyeralarmのサイト

 

日本食レストランやアジアスーパーなどを回ってフライヤーを置いていただけるようお願いしました。
お店の反応が様々でなかなか面白かったですし、
いろんな意味で勉強になりました。

 

 

19.フェイスブックやインスタグラム等での宣伝

 

新しい商品を販売する時は必ず投稿して、
オンラインショップに誘導できるようにしています。

将来的にはビジネス契約するようにしたいと考えています。

 

 

20.有料での宣伝、広告掲載

 

まだ予算不足であまり実行できていませんが、
もっとSEO対策に力を入れていきたいと思っています。

Google Adwordsはクリスマスシーズン前後に使ってみています。
2年使ってみましたが、残念ながらそれほど効果は出ませんでした。

ベストなのはSEO関連の本を一冊買って勉強し、
SEO対策ソフトを購入して(200ユーロ強ぐらいで買えるようです)
自分のオンラインショップの内容を少しずつ改良していくことのようです。
なるべく早く実行したいところです。

また将来的にはフェイスブックとインスタグラムで直接販売できるといいなと思っています。

 

 

21.ドイツ・アマゾンFBA販売についての本を購入(ドイツ語)

 

日本語での情報が乏しいので、
基本的なことを勉強するため購入しました。

 

 

22.転送会社(輸出代行)を探す

 

最初は兄に商品を転送してもらっていましたが、
扱い商品数も増えてきたので、
転送会社も利用しています。

5社ぐらいに見積といくつかの質問を送り、
返信が早くて条件に合い、
リーズナブルな会社を選びました。

 

やはり準備期間が一番大変でストレスフルな毎日でした・・・。

ドイツ語の書類と格闘しているといやになってしまう日もありましたが、
友だちがアドバイスしてくれた
「今日はこの1ページだけは読もう。」
と目標を小さく設定してがんばることをいつも思い出し、
どうにかTo Do Listにチェックを入れていくことができたのでした。

 

ドイツで起業するまで その③ ~起業アドバイザー(Gründungsberater)と会う~

ドイツで起業するまで その③ ~起業アドバイザー(Gründungsberater)と会う~

起業アドバイザー (Gründungsberater)を選ぶ


労働局の担当者が知っている起業アドバイザー (Gründungsberater) を二人紹介してもらったので、
まずは二人ともアポイントして会ってみました。

費用は労働局が支払ってくれます(20時間分)。

起業のための様々なアドバイス、
また起業支援金(Grundungszuschuss)をもらうために
必要なビジネスプランを作成するアドバイスももらうので、
誰を選ぶかはなかなか重要です。

私に必要なのはオンライン販売の知識があるアドバイザーなので、
会った時にオンライン販売について重点的に質問していきました。

一人は30代後半ぐらい、
もう一人は50代前半くらいの方で、
前者のほうがオンライン販売に関して知識があったので、
ほぼ即決でした。

 

アドバイス内容


一回つき2時間で、話すのは大まかにいうと、

・起業のために必要な手続きと業種に関するアドバイス
・労働局から支援金をもらうためのビジネスプラン作成についてのアドバイス

の二本立てでした。

労働局に提出する書類作成に費やした時間が70%ぐらい。
毎回あっという間に終わってしまうので、
いつも質問をいくつも用意して挑みました。

日本にも興味を持っている人だったので、
こういうものを売ってみたらどうかといろいろ提案もしてくれました。

起業時にまだ2時間残っていたので、
起業3か月後と1年後に予約をすればその後についてのアドバイスしてくれるとのことで、
言われた通りにアポを取りました。

両方の時期でプラン通り、
あるいはそれ以上に順調に行っていたので、
今後の注意点や、ビジネスをさらに広げていくためにどうすればいいかなどのアドバイスを受けました。

 

ビジネスプランとして提出する書類


ビジネスプランは簡単に言うと

Excelを使っての数字でのプラン
Wordを使っての文章でのプラン

の二種類を提出します。

Excelでのビジネスプラン(Gründungstool)


1.予測損益計算書(Rentabilitätsvorschau)

毎月の収支予測を2年分記入。発送費や文房具代にいたるまで細かく記入。

2.流動性計画(Liquiditätsplanung)

債務の支払能力計画(2年分)1を入力することによって自動計算される。

3.投資計画 (Investitionsplan)

投資、現物出資、低価値資産

4.資金計画(Finanzierungsplan)

資金需要計画、資金計画

5.プライベートでの財政収支(Privater Finanzbedarf)

・収入→パートナーの収入、子供手当てなど
・支出→家賃、各種保険、借入金返済、生活費など


Wordでのビジネスプラン

-概要(ビジネスアイディア)
-販売商品について
-販売マーケットとターゲット
-ライバルとの差別化
-販売層、マーケティング、販売先、仕入先
-資格、業界経験、営業知識について
-チャンスとリスク予測
-今後のビジョン

について10ページに渡り説明。

 

ビジネスプラン完成まで


Excelプランはかなり細かい数字まで記入する必要があり、
Wordプランも説得力のある詳しい説明とビジョンが必要です。

先ほども書いたようにこのビジネスプラン作成に起業アドバイザーとの面談時間の多くを使いました。
ビジネスプラン作成によって労働局から支援金を支給してもらうだけでなく、
おのずと自分のやりたいこと、
目標もクリアーになっていきます。

まず起業アドバイザーがたたき台になる見本を渡してくれ、
それを参考に数字を入力し、
文章を作って行きました。

もちろんドイツ語で書くので、
私にはかなりの修行でした。
自分でも日頃の何十倍も脳を使っているのがわかり(笑)、
日頃は食べないけれど、
ドイツ語を読んだり書いたりすると無性に食べたくなるチョコとナッツの2セットをむさぼりながら書いていました。
その後夫にネイティブチェックを頼むと真っ赤になって戻ってくる文章・・・
くやしくて悲しかったです。

結局1か月はかかったでしょうか。
その後起業アドバイザーにダメ出しをしてもらって修正してから晴れて提出と相成りました!

 

ビジネスプランの承認


通常作成後IHK(商工会議所)などに提出し承認(Stellungsnahme)が必要ですが、
私の場合IHKの担当者が非常に厳しくて有名な人で、
なかなか承認が下りそうになかったので、
アドバイザーと相談して、
彼のコンサルタント会社の同僚に承認してもらえることになりました。

その後労働局からの承認も無事に下り、
6か月間起業支援金がもらえることに。

 

起業支援金延長申請


前にも書いたようにさらに9か月間、
フルタイムかつ集中的なビジネス活動が実証されれば、
社会保障のための月額300ユーロを受給することができます。

ただしこの追加の支援金は起業アドバイザーによると必ず一度は断られるので、
再度申請するべきであること、
また今まで担当した3千人のうち3人しかもらったことのない厳しいものだと聞かされていました。

最初は仕事は忙しいし、
提出書類作成にまたかなりの時間を割かれてしまうし、
それでも承認されない可能性がかなり高いということで
申請するのをやめようかと考えました。

ですが、起業から5か月程が経ち、
自分の頭の中を整理し、
今後の目標やビジョンを考える上でも有効だと思い、
申請することに。

内容はネットで検索して見つけた見本をたたき台に、

1.なぜ引き続き支援金が必要なのか
2.この5か月の活動報告と今後の予定
3.収支報告および今後の収支計画
4.販売量と売上報告(領収書一覧リストを添付)
5.今まで及び今後のマーケティング戦略について

とういう内容で、
積極的に活動していることをアピールするために、
オンラインショップのページを印刷したもの、
フライヤー、
ebayでのお客様の評価内容も添付書類として提出しました。

そうしたらなんと!

3千人のうちの4人目になれちゃったんですね。
再申請なしの一発で。

外国人だし、
仕事の規模も小さいので絶対に無理だと思っていたので、
なんでしょう、
この大学受験合格以来といってもいい喜びと達成感。

この頃は売り上げもまだまだで、
不安材料もたくさんあったので、
承認してもらえたことでこの仕事を続けていいんだ、
と思えたし、
自分に対してのすごくいい景気づけになりました。

 

参考サイト

[blogcard url=”https://www.arbeitsagentur.de/existenzgruendung-gruendungszuschuss#”]

 

 

ドイツで起業するまで その② ~兄との仕事&海外でのオンライン販売~

ドイツで起業するまで その② ~兄との仕事&海外でのオンライン販売~

オンライン販売の勉強スタート


私はオンライン販売業に関しては全くの素人だったので、
失業中の夏休みに日本に行った時になるべく業界の先輩である兄に会って、
立場は逆ですが(私は日本から輸入、兄は日本輸入)
直接オリエンテーションをしてもらいました。

いろいろと話を聞いて納得し、
自分の中でGOサインを出すことができたらドイツに帰ってから本格的に起業の準備を始めようと計画していました。

兄こそが私にドイツでの輸入&ネット販売を提案してきた人で、
私より2年程早く日本で輸入業及びオンライン販売を始めていて
(アメリカ、ヨーロッパから主におもちゃを輸入)、
積極的に関連するセミナーにも頻繁に出席していたので、
かなりのノウハウを取得していました。


先輩である兄に教わったこと


兄から教わったのは例えば、

購入する商品のリサーチの仕方
Chromeの拡張機能を最大限に利用する方法
商品を購入するサイト
アマゾンへの登録から販売までの方法
販売金額の設定方法・利益率について
商品の選定方法、注意点
お客様からの評価の重要性について
購入・販売の際の注意点

などです。


たちまち仲良し兄妹に?!


ここから私たちの今までなかった密なコミュニケーションが始まって行き、
なんだ兄って実は気遣いのできるいい人だったんだなあ、
ってことがあらためてわかりました(笑)。

兄妹とはいえ、
メールの冒頭に
「忙しいところ、いつもありがとう。」
とか
「すぐに対応してくれて助かったよ。」
などの気遣いの言葉は嬉しいものですよね。

3つしか年の差がないのに、
私が小さい時はものすごく可愛がってくれた兄。
今でも4歳のお誕生日に駄菓子屋さんに連れて行ってくれて、
「好きなもの買っていいよ!(ドヤ顔)」
って言ってくれたことなど、
優しくしてくれた思い出は忘れもしません。

ですが大人になってからは連絡取り合うことがあまりなくなってしまい、
「明日結婚する!」
って言われても驚かないぐらいの距離ができてしまっていました。

なのでそれまでは兄のお嫁さんとのほうがよく連絡を取っていましたが、
今では兄とほぼ仕事関連の話ですが毎日のようにラインしたりしてます。

このビジネスを兄と協力してやることになって一番喜んだのはやはり両親。
兄妹で助け合っているのを見るのは嬉しいものだし、
何かあった時にも安心、
って思うんでしょうね。

 

家族ビジネスで大事なこと


兄いわく、
家族ビジネスで一番大事なのはなーなーな関係にならず、
しっかりお互い報酬を払い合うこと。
同族会社などで失敗しているところはそれが原因になっているところが多いようです。

兄の提案通りこれをしたらいくら、
とあらかじめ相場を基に金額を設定しました。

また当たり前かもしれませんが、
依頼された業務を優先的に行って、
最速で対応できるようにしています。

今のところケンカすることもなくうまくやっています!

ドイツで起業するまで その① ~労働局 (Agentur für Arbeit) に行く~

ドイツで起業するまで その① ~労働局 (Agentur für Arbeit) に行く~

まずは労働局へ


私の場合、
会社員として働いた後退職して自営業者になったので、
ドイツで起業するのにまず必要だったのは労働局に行って失業保険を申請することでした。

労働局では失業保険をもらうだけでなく起業家のためのセミナーに出席させてもらったり、
起業アドバイザーを紹介してもらったりもしたので
(この費用も労働局が支払ってくれます)
とても助かりました。

とにかくドイツで働いていて退職が決まったら
すぐに労働局(Agentur für Arbeit)に連絡をします。

契約によりますが、
通常ドイツでは企業側からの解雇通知も被雇用者側からの退職願いも1か月から3か月となっています。
私の場合2か月でした。

詳しい手続きや必要書類については他のいろいろなサイトに載っていると思うので避けますが、
私が大切だと思うのはどんな険悪な雰囲気で退職したとしても必要書類はしっかりもらわなければならないことです
(日系企業で駐在員の方がボスの場合、ご存じない場合もあるのでこちらからしっかりお願いしましょう)。

勤務証明書(Arbeitszeugnis)はとても重要


特に勤務証明書(Arbeitszeugnis)は転職する際にもとっても大事な書類です。

企業側はこの証明書を出す義務がありますので、
退職後すぐにもらっておきましょう。

もしもらっていない場合でも、
契約書に記載されていなければもっと後から請求することも論理的には可能だそうですが、
判例では6か月から3年後に失効してしまうそうなので、
やはり早めにもらっておくに越したことはないですね。

これがないことはドイツではもう既に異常事態です!!

よっぽど勤務態度が悪かったんだと思われてしまい、
転職時にはかなり不利になります。

また証明書を受け取ってから最大10か月間修正を要求することができます。
私は作る側でしたので、
自分のを作ってもらった際には目を皿のようにして内容チェックしましたよ!

知る人が読めばすぐにわかる定型文があり、
褒めているように書いてあっても実は評価が低かったりします。

ちなみに証明書の内容で雇用者と被雇用者がもめることがよくあるそうで、
年に3万件ほどの訴訟があるそうです。


労働局からの呼び出し


私は3月末日で退職でしたが、
2か月前には退職が分かっていたので、
2月頭には労働局に必要書類を提出したところ、
最初に労働局からの呼び出しを受けたのが、2月21日でした。

その後5月、6月、9月と呼び出しを受け、
それまでにも自営業を始めたい旨は話していましたが、
9月の時点で11月から確実に自営業を開始することを報告したので、
労働局担当者との面会はここで終わりました。

 

起業家のための冊子やセミナー


その間に勧められた起業家のためのセミナーにも2回程出席しました。
その際も念のため出席証明書をもらっておきました。

労働局からは「Hinweise und Hilfen zur Existenzgründung」という冊子をもらい、
まずは内容を熟読して、これから何をするべきか勉強しました。

「Hinweise und Hilfen zur Existenzgründung」の冊子サイト

[blogcard url=”https://www.arbeitsagentur.de/datei/dok_ba015225.pdf”]

 

自営業スタート日を決める


自営業を始めたい方はいつから始めるかをはっきりと決定することがまず大事です。
それによって支給されるものが失業保険から起業支援金(Gründungszuschuss)に代わるからです。
また失業保険支給が終わる5か月前までに起業申請を行わなければなりません。

ちなみに私は11月1日から企業の予定でしたが、
ドイツでありがちなすべてが後手後手に回ってしまい、
労働局に再度連絡して11月15日から起業スタートに変更してもらいました。

 

お役所アレルギーの私


ところで、
ドイツのお役所仕事は日本のように均一ではなくて、
担当者が誰になるか、
というのがすごく大事で、
担当によってかなり対応や言っていることが違ってきたりします。

私はドイツに来たばかりの時に滞在ビザを語学学校の学生ビザで取得しようとして大変な目にあったので
今でもそのことがトラウマでお役所に行くのはとても苦手です
(みなさん好きではないと思いますが)。

こちらもチェック

[blogcard url=”http://doitsudejiei.de/visa/”]



労働局にも結構緊張して行ったのですが、
今回の担当者は同年代ぐらいの女性で、
私の状況を理解してくれ、
応援してくれたのでとてもラッキーでした。

ただ、
ほんとにだいじょうぶなのお?
という雰囲気はちょっと醸し出してましたね・・・(笑)。

失業保険支給中は


それと、企業をすることになると思う、
と言っておいても就職斡旋のお手紙が届きました
(日本人の私でなくてもいいのではないか?
といった職種でも来ました
(例:近所のメガネ屋さんの販売員))。

労働局から斡旋された仕事を特別な理由もなく断ったり、
従事しなかったりすることは認められていないので、
ひたすら自営業者になると思うので、
とお断りしていました。

私はびびりなのでちょっとプレッシャーになっていましたね。

あともう一つ、
旅行などで労働局の呼び出しに応じられない時は前もって通知しなければなりません。
私の場合、
ちょうど子供の夏休みに当たっていたので、
許可をもらってから日本に3週間行きました。

 

失業保険・起業支援金の支給額は?


失業保険の金額は社会保険料を支払っていた長さと年齢によって決まり、
今までもらっていた給与の60%(子供がいる場合は67%)が支給されます。

計算方法は1か月を30日として失業する前の年に得た賃金収入から1日当たりの平均収入を割り出し、
そこから所得税や社会保険料などを差し引いた額となります。

起業支援金の支払いは2段階に分かれていて、
まず6か月間は失業保険と同じ額プラス保険などの社会保障のための月額300ユーロとなります
(失業保険を支給されている間社会保障にかかるお金は労働局が支払ってくれます)。

さらに9か月間、
フルタイムかつ集中的なビジネス活動が実証されれば、
社会保障のための月額300ユーロを受給することができます。

ただしこの追加の支援金は起業アドバイザーによると必ず一度は断られるので、
再度申請するべきであること、
また今まで担当した3千人のうち3人しかもらったことのない厳しいものだと聞かされました。

 

私が今までいただいたドイツの給付金


ちなみに私がいままで支給してもらった給付金のパーセンテージや支給額は以下の通りです。
参考までに。

産休手当(Mutterschaftsgeld)

100%(出産予定日の6週間前からと出産後8週間、
法定健康保険から1日当たり13ユーロまで、
1月当たり390ユーロまで。差額が雇用主から支払われる)

育児休暇手当(Elterngeld)

65-67%(両親で最長14か月支給、最高1800ユーロまで)

子供手当て(Elterngeld)

2人まで204ユーロ、3人まで210ユーロ、4人以上235ユーロ
※すべて2020年現在

事業主に対するコロナ緊急支援金(Soforthile)

ノルトラインヴェストファーレン州の場合
(州によって金額が異なる)

・従業員5人まで:9000ユーロ
・従業員10人まで:15000ユーロ
・従業員50人まで:25000ユーロ

今回のコロナ禍の中でドイツの経済的な対応等はとても評価されましたし、
ドイツは社会福祉がとてもしっかりした国です。
それはとても高い税金を支払っているからこそ成し得ることなんですよね。
その話もまたいずれできればと思っています。